外壁塗装の基礎知識|塗装工事は「冬」でもできる?冬に塗装工事を検討するときの注意点とメリット・優良業者の選び方までご紹介!
お住まいの外壁の塗り替え「塗装」にポイントを置いて様々な情報をお伝えする「公式みんなの塗装講座」。
・外壁・屋根塗装を検討しているけど、時期はいつが良いのか分からない
・冬に塗装工事って向いてないんじゃないの?
など、塗装時期についてお悩みの方も多いのではないでしょうか?
特に冬場の塗装工事となると、
「冬は寒くて、雪も降るし、塗料が乾きにくそう……」
「やっぱり塗装工事は暖かくなってからがいい?」
そんなお声をいただくことも少なくありません。
そこで今回は、冬に塗装工事を行う際のメリット・デメリットを詳しく解説いたします。
まずは冬の塗装工事の注意点を知っていただき、ご希望の塗装時期をご検討ください!
「冬の塗装工事」の注意点とは?

ナビゲーター 中上真亜子(以下:中上):谷口さん、この塗装講座で勉強していて思うことがあるんですけど、冬に塗装工事するのって大丈夫ですか?
アステックペイント 技術開発本部 部長 谷口智弘(以下:谷口):何か不安になりますか?
中上:気温が下がるし、日照時間も短くなるし、塗料の乾き具合とか大丈夫かなって。
谷口:ノープロブレム!ご心配なく!
冬でもいくつかの条件をクリアすることで塗装が可能です。ただし、冬場の外壁塗装は雪や気温が低すぎて施工ができなかったり、春まで施工が行えなかったりする地域もあるため、お住まいの地域によってはスムーズな工事にならないかもしれません。
中上:詳しくお聞きしたいですね。

谷口:冬場の外壁塗装工事で知っておくべき注意点があります。冬場の外壁塗装では、気温の低さが原因で施工がおこないにくくなったり、施工が中断したりすることがあります。まず、塗装ができない条件があります。
・気温が5度以下
・湿度が85%以上
・結露が起きているまたは予想される場合
です。まずは「気温が5度以下」の場合ですね
中上:やっぱり気温が低いとダメなんですね。
谷口:この気温だと、塗料が正常に乾燥、硬化しにくくなるためです。塗料は、ある程度気温が低くても使用には問題ありませんが、気温が5度以下になると工事自体を中断しなくてはなりません。

谷口:水性塗料は、低すぎる気温の中で使用すると乾燥までに凍って外壁や屋根にしっかり密着できなくなってしまうため、通常通りの効果を発揮できなくなります。

谷口:また、2液の溶剤系塗料では、反応が進行せず硬化不良になります。
中上:塗料が密着しなくなると仕上がりが悪くなりますね。
谷口:次に「湿度が85%以上」の場合です。
中上:湿度が高いのもダメなんですね。

谷口:湿度が85%以上の環境とは、降雨や霧などが発生しやすい環境と言えます。水性塗料の場合では塗料が流されたり、溶剤系塗料では艶がでないという現象が発生しやすくなります。

谷口:そして、結露が起きているまたは予想される場合です。
中上:結露!外が寒いときに暖かい室内にいると窓ガラスが曇って結露していたりしますよね!あれと同じですか?
谷口:はい、あれは室内と室外の温度差によって結露が生じるのですが、塗装する外壁や、屋根にも同じように結露が起きることがあります。

中上:結露が予想される場合の対策は何かできるんでしょうか?
谷口:業者側は、気温が5度以下や湿度が85%以上は凍結や降雨などの可能性が高いことを予想して不具合発生を予防しています。最近はスマートフォンで天気、気温、湿度、雨雲レーダー予報など便利なアプリがありますので、心配な方はご自身でも確認してみてください!
中上:天気予報のアプリありますね!

谷口:特に冬になると、外壁や屋根の表面が、夜間に降りた霜や夜露で朝方は濡れていることがあります。外壁塗装は基本的に、塗装する面が濡れていると工事を行うことができません。
余分な水分が塗料の乾燥を阻害し、そのため、冬場はこれらの水分が乾くまで作業開始を待たなければならず、どうしても作業の効率が悪くなりがちです。

谷口:そもそも冬場は、太陽が出ている時間が短いため、作業が行える時間帯が少ない季節でもあるのです。
中上:つまり、1日に施工できる時間が限られているということですね。
谷口:季節によって、作業する時間が短くなるんですね。業者にもよりますが、冬以外の季節であれば、外壁塗装工事は、朝の8時~9時頃から作業を開始しますが、夜露や霜の乾燥を考慮して、冬場は朝の9時~10時頃から開始されるため、工事開始時間がおおむね1時間ほど遅くなります。
中上:まず開始が遅れるんですね。
谷口:また、日没時間も早い冬は、夕方の16時から17時を過ぎると周りが暗くなってしまいますので、夏のように、18時直前まで作業を行うことはできず、工事終了時間が、1時間ほど早まります。
このような理由から、冬場の外壁塗装は、春や夏に比べると、どうしても施工日数が増える傾向にあります。
冬の塗装工事のメリット
谷口:ここまで、冬の外壁塗装の注意点をご説明しましたが、メリットも存在します。
中上:メリットもあるんですね?良かった!どんなメリットがありますか?

谷口:地域の冬の特徴を把握している優良業者であれば、季節ごとの施工条件を考慮して、工夫して作業を進めてもらうことができるでしょう。

谷口:冬は一年を通してみても比較的雨が少ない季節ですので、工事スケジュールは比較的立てやすいといえます。
中上:イレギュラーなことは少ないということですね。
谷口:梅雨や夏場のように、突然の雨による作業の中断や長期間の工事延期が発生しにくく、天候や気温の変化さえ予想できていればスムーズな工事予定を立てることも不可能ではありません。
もとから期間が長くなることを納得できているのと、後から工事の延長を知らされるのとでは、ストレスの感じ方はまったく異なるといえるでしょう。
中上:最初から分かっていれば理解できますよね。

谷口:冬場の乾燥した空気が塗料にとって好条件なこともある。冬場は静電気が発生したり、日々の生活の中で「乾燥している」と感じる瞬間が多いのではないでしょうか。
中上:すごくありますね。
谷口:日本は元々年間を通じて、湿度が高い気候です。気象庁が発表している過去30年間の統計によると月別の平均湿度は、梅雨時期の6月で 78%、7月で80%まで上がると言われています。
それに対して1月は最も低く58%です。そのため、空気中の湿度が低く、乾燥している冬は、気温の低さで乾燥に時間がかかる点を除けば、実は、塗り替えに適した季節でもあるのです。
中上:工事時期は、実は冬が狙い目とも言えるんですね。
冬の塗装工事のまとめ
中上:それでは、今回の塗装講座のまとめです。今回のテーマは、「冬の塗装は、大丈夫?」でした。
谷口:冬場の塗装工事はお住まいの地域の特徴を知り、作業時間の条件などをクリアすることで施工が可能です。通常より工期が長くなることが予想されますので、冬場の作業環境でも、しっかり対応してくれる施工管理・技術力のある業者に依頼すると安心でしょう!
中上:やはりしっかりと連絡を取ってくれる優良な業者を選ぶと、スムーズに工事が進められますね。
最後までご視聴いただきありがとうございます!それでは、また次回お会いしましょう!
